就業者等の声

林業への就業を目指す学生などの若者の声

               

鹿屋農業高校緑地工学科3年 大野 一葉

「森林に携わる職業を目指して」

私が中学生の頃、建築途中の我が家の様子をよく見に行くことがありました。現場に行く度に、加工された木材や組み合わされた柱や梁の構造を目にして、木材について興味を抱くようになり、私は鹿屋農業高校に行こうと考えるようになりました。

現在私は緑地工学科の林業班を専攻し、主に森林の役割や木材の性質について勉強しています。また実習においても、学校の演習林で下刈りや枝打ち、除伐といった保育作業についても実践的に学んでいます。

専攻班での学習を通して、木材だけでなく森林についても興味が湧き、将来は林業に関する職業に就こうと考えるようになりました。

しかし、私の林業に関する知識はまだまだです。今後は森林・林業について多くのことを学び、知識・技術をより一層深めて、夢を実現させたいと思います。

 

             

伊佐農林高等学校 農林技術科2年   中村 將来(なかむら まさき)

「伊佐の山は、宝の山ですよ。」

これは、私が1年生の時に「かごしま林業の魅力発信ツアー」の研修でお世話になった

地元の森林組合の社長さんがおっしゃった言葉です。

私は、将来、大工になりたいと考えていたので、高校は迷うことなく林業を学べる地元

の伊佐農林高校を選びました。林業の学習範囲は広く、森林や樹木、木材加工、測量、林

産物利用、林業機械、森林経営などを学ぶことが、大工になるうえで自分の強みになると考えています。

林業専攻生になった私は、学習するなかで、「宝の山」であるはずの「伊佐の山」も危機

的状況にあることを知りました。

一つ目は、担い手不足です。戦後、国策によるスギやヒノキの植林事業が推進されまし

た。植林されてから5~60年近く経っていて、伐木時期になっています。しかし、山の持

ち主が不明であり、過疎化や高齢化のため山の管理ができずに荒れた状態で放置されてい

る現状です。これでは、森林資源の循環利用が低下します。

このような問題を解決するために、森林組合などの民間企業は自治体から委託を受けて、

林業事業を行っているそうです。研修の伐採現場見学では、クラス全員の目が釘付けにな

りました。一人の従業員さんが何度も安全確認を行った後、30mもあるスギをチェンソー

で伐採しました。そこからは、一瞬です。コンピュータを駆使した高性能林業機械が登場

し、グラップルで木寄せ、プロセッサで造材、フォワーダで集材という一連の車両系作業

システムを終えると同時に、拍手喝采が起きました。このように、林業も機械化されては

いるものの、「危険」「きつい」というイメージは払拭されていないと社長さんは嘆いてい

ました。

山が放置されることで、地盤が悪くなり、災害が起こりやすくなります。事実、令和2

年7月豪雨では、私の地元の山野集落も土砂崩れや河川が氾濫し、山だけでなく、水田や

畑、民家まで被害を受けました。近年の土砂災害は、山の管理が行き届いていないことも

要因となっているようです。川内川上流域に位置する伊佐市の約70%を占める林野が崩壊

した場合、鹿児島県においても甚大な被害をもたらすと想定されます。伊佐の山も全て樹

木に覆われているわけではなく、畜産団地や太陽光パネルでむき出しのところもあります。

どれが正しい環境保全なのかを疑問に思うからこそ、林業という産業が重要であることを

痛感します。

二つ目に、野生鳥獣による森林被害です。原木の価値は、地面から5mが重要で、この

部分が良質でないと価値が下がります。みなさん、地元のブランド「伊佐ヒノキ」をご存

じですか。現在、ヒノキは伊佐の人工林の3割程度ありますが、シカによる食害や剥皮被

害が増加しています。驚いたことに、シカはスギを食べないそうです。シカの食べる部分

が幹の一番太い部分にあたるため、長い年数をかけて育った大木でも価値は下がってしま

うという結果になってしまいます。

現在、コロナ禍で「ウッドショック」という現象が起こっています。在宅ワークやリモ

ートワークなどの普及で、アメリカ国内の住宅需要が急増し、住宅用木材の供給が追いつ

かず価格が高騰している状況のことです。これは世界的な現象で、木材自給率37.8%の日

本においても例外ではなく、輸入材に加えてもともと供給が少なく単価の高い国産材が、

更に高騰するという問題が生じています。

私は、日本には沢山の木があるのだからチャンスだと思いましたが、先生から「木材と

して使い物になるまでには、伐採して乾燥させるのに数ヶ月かかる。だから、急な対応は

できない。また、従事者が少ないから量産できないという課題もある。」と教わりました。

将来、大工を目指している私にとって、日本には良質な原木があるにもかかわらず、管理

ができないがゆえに、出荷もできず、野生動物から被害を受け、更には災害をも引き起こ

すという悪循環に悲しさを覚えました。

木材資源豊富な日本には、神社やお寺、お城などの木材建築物が沢山あります。昔の人

は、木の1本も無駄にすることなく、森林資源を循環利用することで、環境を保全する生

活様式ができていたのです。私は高校在学中に、もっと林業のことを学びたいと強く思い

ます。特に、伊佐ヒノキの存続と育成に微力ながらも役に立ちたいです。

私は将来、国産木材の生産、流通から設計、建築までを一貫してできる会社を設立した

いと考えています。そして、「宝の山」で育った地元の伊佐ヒノキをふんだんに使って、丈

夫で住み心地の良い住宅を造る大工の匠を目指して、これから努力していきます。

 

若手林業者就業者等の声

                 

曽於市森林組合 西田 穂乃花

はじめて林業の現場を見学したとき、大きな木が人の手で伐り倒される様は圧巻で、現場の方々が話してくれる「林業」という職業にとても興味を持ちました。そして「自分もやってみたい!林業についてもっと知りたい!」という思いから林業の道を選びました。

林業は体力が必要です。しかし、それと同じくらい頭を使います。仕事を始めたとき、そのことに驚かされました。木がどんなふうに立っているか、どの方向に倒したらいいか、またどこに集材できるか等々考えることがたくさんあります。さらに頭で理解していても、思うように作業できないことが多く、そのことに落ち込む毎日です。それでも先輩方が優しく教えてくれるので、徐々にできることが増えて楽しくもあります。

ここ数年で高性能林業機械が普及しています。そのおかげで集材や造材など現場の作業負担が減ってきています。それでもまだ人力による作業も多く、人手が足りていません。今、少しでも早く仕事をひとりでできるようになって、そんな現場に貢献できることを目指して頑張っています。

 

(株)ヤマトク 中住 裕帆

 私が林業という職業を選んだきっかけは、高校2年生の時、弊社に見学に行き、そこで初めて伐採作業をしている人の姿を見て、「かっこ良い」「自分も木を倒してみたい」と思ったからでした。
高校卒業後すぐに就職しましたが、初めは本当に何も分からなくて、できない事が多く、失敗もたくさんしていました。 それでも、日々仕事をしていくうちに、先輩方が優しく、分かりやすく教えてくださったり、実際にやり方を見せてくださったりと会社のみんなに支えられて少しずつですが、自分でできることも増え、自分一人で伐倒できた時の喜びと嬉しさは今でも忘れることができません。
今、林業の現場では、若手林業就業者が不足しています。私は、これからチェンソーの伐採作業だけではなく、フォワーダやスイングヤーダ、プロセッサなど高性能林業機械のオペレーターとしての仕事もこなしていけるように、日頃から、現場で先輩方の作業を見て学び、自信を持って高性能林業機械で作業ができるように努力していきたいと思っています。

フォレストワーカー2年生中住裕帆さんの一日

5:30
起床・支度
6:20
通勤
7:20
事務所で朝礼、現場へ移動
8:00
現場で朝礼、その日の作業確認
9:00
チエンソーで伐倒作業
12:00
昼休み
13:00
チエンソーで伐倒作業
・指導員による安全対策指導
・写真管理の補助
17:00
事務所へ移動
・日報の記入、終礼
18:30
退勤
19:00
帰宅
夕食、洗濯、片付けなど
21:00
映画鑑賞

ベテラン林業従業者からの就業希望者へのメッセージ

(有)田中林業 堂山 力人

 凡事徹底をモットーに、日々仕事に取り組んでいます。安全を主とし、且つ一人一人の意見を尊重し合えるアットホームな職場づくりに取り組んでいます。歴史はそのままに先の未来へと活かされ(過去からの)自然をつなぎ、技術・技能の向上を図りたいと思っています。
実務未経験者でも働ける働きやすい環境と、支え合い信頼関係を築いていける仲間、安全作業を重視した職場を目指しチカラを入れております。
作業に関しては基礎から学び、その基礎を極める。林業は伝統ある手法で自然に触れ現在(いま)を壊すことなく自然を守り育てる仕事であり、その為に必要な知識や経験をしっかり習得することが大切だと考えています。このため、教育する側も分かりやすく何度でも丁寧な指導に努めております。
私達の職場は、自然の中で仕事が出来る楽しさと、山をつくりあげ、それを日本の未来へ届けるやりがいに満ちた魅力のある職場です。

フォレストリーダー
堂山力人さんの一日

5:00
起床・支度
6:00
通勤
7:00
会社の車に乗り換えて現場へ移動
7:30
現場到着、ミーティング(KY活動)
8:00
プロセッサーで造材作業
(昼休み12:00~13:00)
15:30
品質管理(土場に集積された丸太の寸法確認)
16:30
ミーティング(各作業の進捗確認、工程会議)
17:00
事務所に帰って日報の記入
18:00
退社
19:00
入浴・育児・夕食
21:00
趣味(兼育児)

曽於地区森林組合 鎌田 祐聖

 私は、高校卒業後林業の仕事を始めました。
林業にはスギなどの苗木を植える植付け作業、苗木の成長を妨げる周りの草を刈る下刈り作業、一定本数伐採し森林の混み具合を調整し豊かに成長させるために行う間伐作業、利用時期に達した立木を伐採する主伐作業などがありますが、私は、主に主伐作業の現場を任され高性能林業機械のオペレーターとして働いています。
主伐作業では、チェンソーで木を伐採したあと、フェラバンチャーなどの高性能林業機械で伐採した木を集め、集めた木はプロセッサなどの高性能林業機械で枝を払い、決められた長さの丸太にしていきます。
高性能林業機械には冷暖房も完備されているので、危険も少なく快適に仕事ができますが、次の作業の事を考え無駄を省かなければ能率が悪くなるので責任も重大です。効率の良い仕事ができ、思っていた通りに現場の作業が進んだ時など、とてもやりがいを感じる事のできる仕事です。

フォレストリーダー
鎌田祐聖さんの一日

6:00
起床・支度
7:00
通勤
7:20
朝礼(ヒヤリハット報告・ラジオ体操)
・現場へ移動
8:00
ミーティング(KY活動、作業工程指示)
・機械等の始業前点検
8:30
境界調査
9:30
プロセッサーで造材作業
・昼休み(12:00~13:00)
16:00
各作業の進捗確認
17:00
事務所へ移動
日報の記入・作業現場出来高報告書作成
18:00
退勤