就業者等の声

林業への就業を目指す学生などの若者の声

             

鹿屋農業高等学校 農林環境科2年 立元 陵雅

「林業の未来のために」

 私の家は祖父の代から林業を営んでいます。 私が小さい頃は、広葉樹を伐採して山川にある鰹節工場まで出荷する仕事をしていましたので、割木を作る際に出た端材の後始末や出荷材の詰め込み作業の手伝いをしていました。 他にも機械にグリスを注入したり、詰まった木材を取り除くといった機械の手入れもしていました。

 現在、私は農林環境科の森林科学コースに所属しています。 学校では、教室での座学だけでなく、演習林実習において、下刈りや除伐といった保育作業についても実践的に学んでいます。 また、チェーンソーやフォワーダといった林業に関する機械の講習も受けることができます。 そのような林業専門の学習を始めてまだ4ヶ月程度ですが、段々と林業に対する興味が高まっていると実感しています。

 現在の林業が抱える課題として「林業従事者の減少」と「林業や森林に対する関心の低さ」が挙げられると思います。 この状況を改善することがこれからの林業に必要だと私は考えます。 将来、林業関係の仕事に就き、多くの方々に林業について関心を持ってもらうための働きかけができるよう、これからも勉強や実習に頑張りたいと思います。

 

  

伊佐農林高等学校 農林技術科 2年 轟木 大翼(とどろき たすく)森山 太貴(もりやま だいき)

「林業就業支援講習に参加して」

私たちは高校で林業を専攻するまでは、林業という職種自体も理解しておらず、どのような内容の仕事をするのかさえも分からずにいました。林業就業支援講習で林業のことを学んでいく中で良いところも悪いところも含めて、林業の全容が見えてきました。実際に地元林業経営体の社長さんからの講話や、県の指導員の方から本県の森林・林業の現状と課題について説明を受けました。また、刈払機・チェーンソーの資格取得と林業従事者の方々との座談会をとおして、就業するにあたっての心構えや資格取得等について有り難いアドバイスを頂きました。

特に印象に残った点は、「森林」はただ単に木材を生産する場だけではなく、洪水や土砂崩れを防いだり、私たち人間が生きていく上で必要な水資源を確保したりするなど、様々な働きを持っているということです。このような森林の持っている様々な働きを「森林の多面的機能」といい、私たちは有形・無形の形で恩恵をを受けているということを改めて考えさせられました。

しかしながら、林業従事者の数は減少傾向で、高齢化とあいまって後継者不足やそれに伴う森林整備の遅れなど、様々な問題を抱えていることも知ることができました。本県の森林・林業がこれからも成長していくためには、意欲と能力のある若い人々の知恵と力が必要とされており、私たち世代に対する期待の大きさを肌で感じることができました。これらの経験をとおして、将来の就職先の一つとして「林業」という選択肢も視野に入れて、今後も森林・林業への理解や関心を深めていきたいと思います。

 

若手林業者就業者等の声

(株)正徳林業 東條 佳昂

私が林業の仕事に就こうと決断したのは、高校三年生の頃でした。両親の仕事が自営業で林業の仕事をしていたこともあって、小さい頃から林業の仕事を直接見る機会が沢山ありました。

色々な作業を見ている中で、近未来的な高性能機械を動かしている社長や従業員の方々の作業を見て自分も機械を自由に扱いたいなと感じました。そこで林業の事を深く学ぶために県の森林技術総合センターで一年間研究生として勉強しました。

林業の作業は機械を動かす他にも境界調査や測量、チェンソーを使って伐倒などの色々な作業があります。いざ作業に従事してみると、とても頭も技術も体力も使うんだなと体感しました。

「緑の雇用」の研修で資格を取得してからは少しずつ作業を任され、乗ってみたい機械などに乗って作業をして上手くいった時はとても嬉しい。「緑の雇用」の研修では同期の方々とも沢山交流ができて同世代の方々も頑張っているから自分も頑張ろうと自分自身の励みにもなりとても良い期間だなと思っています。

現状として林業は若手不足が問題視さていることから、その問題点としっかり向き合って少しずつ会社の若返りをしつつベテランの方々に色々なアドバイスや技術を教えてもらい、自分の技術がここで止まらないようにもっと高みを目指してこれからの林業作業に携わって行きたいなと思っています。

 

                 

曽於市森林組合 西田 穂乃花

はじめて林業の現場を見学したとき、大きな木が人の手で伐り倒される様は圧巻で、現場の方々が話してくれる「林業」という職業にとても興味を持ちました。そして「自分もやってみたい!林業についてもっと知りたい!」という思いから林業の道を選びました。

林業は体力が必要です。しかし、それと同じくらい頭を使います。仕事を始めたとき、そのことに驚かされました。木がどんなふうに立っているか、どの方向に倒したらいいか、またどこに集材できるか等々考えることがたくさんあります。さらに頭で理解していても、思うように作業できないことが多く、そのことに落ち込む毎日です。それでも先輩方が優しく教えてくれるので、徐々にできることが増えて楽しくもあります。

ここ数年で高性能林業機械が普及しています。そのおかげで集材や造材など現場の作業負担が減ってきています。それでもまだ人力による作業も多く、人手が足りていません。今、少しでも早く仕事をひとりでできるようになって、そんな現場に貢献できることを目指して頑張っています。

 

ベテラン林業従業者からの就業希望者へのメッセージ

(有)田中林業 堂山 力人

 凡事徹底をモットーに、日々仕事に取り組んでいます。安全を主とし、且つ一人一人の意見を尊重し合えるアットホームな職場づくりに取り組んでいます。歴史はそのままに先の未来へと活かされ(過去からの)自然をつなぎ、技術・技能の向上を図りたいと思っています。
実務未経験者でも働ける働きやすい環境と、支え合い信頼関係を築いていける仲間、安全作業を重視した職場を目指しチカラを入れております。
作業に関しては基礎から学び、その基礎を極める。林業は伝統ある手法で自然に触れ現在(いま)を壊すことなく自然を守り育てる仕事であり、その為に必要な知識や経験をしっかり習得することが大切だと考えています。このため、教育する側も分かりやすく何度でも丁寧な指導に努めております。
私達の職場は、自然の中で仕事が出来る楽しさと、山をつくりあげ、それを日本の未来へ届けるやりがいに満ちた魅力のある職場です。

フォレストリーダー
堂山力人さんの一日

5:00
起床・支度
6:00
通勤
7:00
会社の車に乗り換えて現場へ移動
7:30
現場到着、ミーティング(KY活動)
8:00
プロセッサーで造材作業
(昼休み12:00~13:00)
15:30
品質管理(土場に集積された丸太の寸法確認)
16:30
ミーティング(各作業の進捗確認、工程会議)
17:00
事務所に帰って日報の記入
18:00
退社
19:00
入浴・育児・夕食
21:00
趣味(兼育児)

曽於地区森林組合 鎌田 祐聖

 私は、高校卒業後林業の仕事を始めました。
林業にはスギなどの苗木を植える植付け作業、苗木の成長を妨げる周りの草を刈る下刈り作業、一定本数伐採し森林の混み具合を調整し豊かに成長させるために行う間伐作業、利用時期に達した立木を伐採する主伐作業などがありますが、私は、主に主伐作業の現場を任され高性能林業機械のオペレーターとして働いています。
主伐作業では、チェンソーで木を伐採したあと、フェラバンチャーなどの高性能林業機械で伐採した木を集め、集めた木はプロセッサなどの高性能林業機械で枝を払い、決められた長さの丸太にしていきます。
高性能林業機械には冷暖房も完備されているので、危険も少なく快適に仕事ができますが、次の作業の事を考え無駄を省かなければ能率が悪くなるので責任も重大です。効率の良い仕事ができ、思っていた通りに現場の作業が進んだ時など、とてもやりがいを感じる事のできる仕事です。

フォレストリーダー
鎌田祐聖さんの一日

6:00
起床・支度
7:00
通勤
7:20
朝礼(ヒヤリハット報告・ラジオ体操)
・現場へ移動
8:00
ミーティング(KY活動、作業工程指示)
・機械等の始業前点検
8:30
境界調査
9:30
プロセッサーで造材作業
・昼休み(12:00~13:00)
16:00
各作業の進捗確認
17:00
事務所へ移動
日報の記入・作業現場出来高報告書作成
18:00
退勤